副業の名刺をどう創るか?

 今年も3月になり花粉症に苦しみながら、月初めということもあり本屋をのぞいてみた。目に付いたのは「副業」という文字でした。雑誌、経営本、ライフワークなどいつからブームというくらい出ていた。1冊購入してしまいました。

 働き方改革はズサンなデーターの問題で止まっていますが、世間は副業に興味をもったようです。老若男女、どの年代も今の生き方、これからの生き方に確信が持てないでいるのだと思います。今、安定している職場もどうなるかは解らないし、国の100年安心なんとかも話が違うし、平均寿命は伸びているし副業を考えざるをえないのです。

 以前、ドラッカーが 「明日を支配するもの」 でパラレルキャリア(第二のキャリアの必要性)を書いていたと思いますが、まさにそうなってきました。会社の寿命より人の方が長く生きる時代なのですから第二のキャリアが注目を浴びるのは当然のことなのです。

 しかし日本のしくみは中々スムーズには進んでくれません。正社員の8割以上が興味をもっていても手をだす人は一部です。でも確実に広がると思います。そうせざるを得なくなります。新しい年号になる時代を昭和、平成の仕組みのままでは、生きのびれなくなると思いませんか。

 自分は名刺屋ですから、どういう時代になっても名刺の表現から考えるクセがあります。もし、会社が副業を認める世の中がくれば名刺の記載はどうするか。また世間では容認されても会社が認めないときはどういう記載で作ればいいか。定年後に副業というより生き甲斐のために作る人の名刺はどうしようか。とか、色々と考えてしまいす。

 いづれにしても副業、パラレルキャリアが認知されるとなれば、会社 対 会社ではなく個人が表に出てくると思います。ただ単にネットの中やSNSの中にとどまらず人と人が会うことが増えるのではないかと想像します。何かの集まりでも、何かの取引でも告知はネットやSNSで実際は人と会ってから進むような仕事。アマゾンなどで形のあるものは流通し、形のないものは別な取引形態になる気がしています。

 その時どうすれば名刺交換する際に相手に自分の出来ること、したいことを伝えることが出来るかが、うちの仕事ですからがんばりす。

 

名刺はどこで作るのがベストか?

 名刺屋として25年やってきて、正直に思うことなのですが、どこで作ってもいいと感じています。投げやりなのではなく、最近はネットで注文することも出来れば文具通販、印刷通販、古くからの印刷屋さんと多岐にわたり良いものが、安く、早く出来てきます。ご自分が頼みやすいところで、対応のいいところを選べば良いと思います。

 今、時代は色々な常識がひっくりかえるのが、当たり前のように起きています。昔は良かった。と言っている場合ではありません。名刺もそうなのです。ハードで言えば、印刷機械の精度がアップして品質の安定したものがどこでも作れます。インターネットの普及で全国から注文を受け、宅配便で数日の納品が可能、しかもコンビニで支払いも出来ます。

 ソフトで言うと名刺のデザインも豊富なサンプルの中から選ぶ事ができるようにもなっています。又、個人でもネットで自分のオリジナルな名刺デザインをコンペによって選ぶこともできます。ただ出来れば、紙の質感や色合いという微妙に差が出るところなどは、手に取れるところにすると、より安心だと思います。

 名刺を作られる方には御商売として起業、副業、フリーランスなどとして作られる方。また会社として、全体のイメージを検討して作られる方。大きく分ければ、どちらかだと思います。どちらにしても、とことん研究されて作られることだと思います。名刺という小道具は、当たり前にビジネスで使われていますが、使い方、考え方によりますと闘う武器にもなります。個人で作成する過程では、ご自分を再発見できるという事もあります。

 名刺屋としては、どこで作られてもいいのですが、今までの常識を少しだけ見直して欲しいと考えています。名刺交換というチャンスに住所録の交換みたいな挨拶だけでなく、何が出来て、何がしたいのかを言葉化して表明した名刺交換が新しい常識として広まって欲しいという夢をもっています。ぜひ、皆さんが実践してみてもらえれば、そのことが常識になると信じています。

 

働き方を考える

 

 昨日NHKスペシャル「A Iに聞いてみた」という番組をみました。働き方をテーマにA I21万人分の個人データーを投入し、そこから提言を導きだすというものでした。その中の提言のひとつに仕事の効率を上げたければ「11時間54分以上働け」というものがありました。ただ健康度のデーターは含まずです。組合関係、野党はバカなことを言うなと怒りそうですね。

 興味深かったのは、「没頭度」 「継続度」 「効率と利益」という流れでした。11時間54分以上というのは色々な前提条件のうえで成り立つ A Iからの提言でしたが、自分も小商いですがしていますと、夢中になると時間で終わりという訳にはいきません。それで利益につながればいいのですが、それはともかく働き方は難し問題なので、データーだけでは結論は導き出せないなと思いました。

 その番組の中で働く人の満足度のことで、ちょっとした飴やガムを記念日とか、何かにつけ渡しコミュニケーションをとる方がいて、マメにされているのに感心しました。中々でマネはできませんがA Iうんぬんという番組でその方を実際に取材し、取り上げたことにNHKもやるじゃん。と思いました。そこで思うのは飴ひとつでも渡すという行為が働く人のモチベーションにかかわってくるということです。

 自分は名刺屋という小商いの小商人ですが、いつも考えていることがあります。それは名刺交換という習慣のことです。名刺という小さな紙切れを初対面の人と交換するのはなぜ習慣となったのだろうかと。自分はそれが先人たちの生き方の知恵なのだと思っています。人が人と初めて出会い、取引を始めるかもしれない時に眼と眼をあわせ、挨拶をして、なにがしかの会話をすることで人間のもつ本能みたいなもの、勘とか印象とかを働かしているんだと思います。だから今の時代でもメール交換だけでなく名刺交換が有効なビジネスの小道具として使われると。

 自分も名刺の作成を依頼されて作る時は時間をきにしません。だから儲からないのかもしれません。小商いには、大きな儲けは中々大変ですが、満足度は充分あります。番組のなかで起業された方が大変ななかでも楽しそうに仕事をされていましたが、よくわかる気がしました。

 

 

 

もっと増やそう小商い

 3月になるとスーツの広告が増える。今季は売り手市場で学生は引く手あまたで良かったなと思う半分、選択肢はそれだけじゃないので、数か月後に心を折るなと切に祈る。雇用は完全雇用状態に近いと世間はいうが、政府のいうことはうわべのことが多い。それぞれがフィットしているとは思えない。まあ、新入社員も気張らずに数年の間、世間をみるつもりでシッカリと働けばいい。自分に適していれば、そこで頑張ればいいし、違うと思えば別の道はいくらでもあるのだから。

 別な道の一つに「小商い」も入れてほしい。今は昔と違いネット、SNSでお客様とつながれる時代なのだから、企業がする大きな商いでなくとも生計の道はある。我々が考える小商いと、若い人の考える小商いとはズイブンと違うはずだ。彼らのアイデアに驚かせられたい。自分が思っている 「小商い」 はキチッとしたものを、キチッとした人に、ちゃんと売る。というイメージでやってきました。何を取り扱ってもこれだけは守っています。

 小商いを目指して色んな人がチャレンジしてくれると、勝手ながらうちのような名刺屋も色々なアイデアのカードを創れて楽しいだろうなと思っています。現代は少子高齢化であるとか、グローバル化だとか、AI、IoTの時代だとかいわれます。確かに、その通りで高度成長、バブルの時代とは世間の空気が違います。でも、人が楽しくなければ世間がおかしいと思った方が健全な気がします。自分と皆が考えも、行動も違っているのが当たり前なのですから。会社がつまらなければ自分で小商いを始めて下さい。

 小商いを考えた時、名刺で自分をアピールすることを試してください。今までの与えられた名刺ではなく、あなたが主役で、あなたの名前で生きて行く為の名刺を考えてみてください。屋号は何にしますか、個人でやりますか、会社にしますか、何を、だれに、どこで、いくらで商い、どの位儲けますか、名刺のロゴやデザインはどうしますかと次から次へとでてきます。それをひとつずつ自分で決断していくのが小商いの始まりです。いつか、あなたの名刺を創りたいものです。

 

起業を考えている人の名刺

 あなたが将来、起業したいと思っているとしたら何をすればいいのでしょうか?もちろん、その為の技術や知識を高めること。資金をためること。しくみやマーケッティングを考えること。他にも色々とあるでしょう。例えば今現在している仕事があるのが一般的でしょうから、仕事をしながら次のステップについて構想を練っているはずです。でも、それでは中々前に進むことは難しいのではないでしょうか。なぜならそれらは必要ですが、あなたの頭のなかの出来ごとの段階ですから。

 話はそれますが、人の潜在意識は現状を維持しようとするのだそうです。そして答えが見つかるまで、いつまでも探し続けるので、成功でも失敗でも答えを出してあげないと堂々めぐりを繰り返すと本で読みました。だから昔に、しなかった事を何度も繰り返し悔やむのだと思います。選ぶのは自分です。

 話を戻します。起業の準備は当然やり続けねばなりません。でも今の仕事をしながら何をどうすればいいのでしょうか。名刺を考えて創りましょう。そして今使われている名刺と一緒に何枚か名刺入れに忍ばせておいてください。チャンスの女神は前髪しか掴めないと言われます。後からはないと思っていた方がいいです。そのいつ来るかわからないチャンスに対応できる名刺を忍ばせておきましょう。

 まず、今できることから始めましょう。名刺を創る事は頭の中の夢想ではありません。まさに、「実践」です。一つの行動を起こしたことになります。これで、いつでもチャンスと出会ったならば、「こういうことをしたい○○です。」と名のる事が出来ます。何ができるかを伝えることが出来ます。もし、断られたりしても一つの結果がでます。今、名刺交換をした人との答えがでます。後になって無駄な後悔をせずに、次のステップへと進めるのです。

 また、私が勧める名刺は一般の名刺と違い、やりたいこと、出来ることを言葉化して名刺で表明したものです。その時、結果が出なくとも何ができるかが、相手の方や、流行りのデーター管理システムに残り意外な時に連絡が来るかもしれません。あなたは、次に来るチャンスにチャレンジしていけばいいのです。これが起業を考えている人の名刺だと思います。

 

 

 

名刺の意外な効果②

 名刺の意外な効果の話しなのですが、名刺は一般的には会社から与えられる物というイメージがあります。名刺を自分で色々考えるのは起業する人とか、自営で商売をしている人とかと思っているのではないでしょうか。もちろんその人達は自分で工夫していると思います。しかし副業に興味があるという人が企業の正社員88%という記事が日経の1面に今日も出ていました。フリーランスとして収入を得る人も確実に増えています。政府も働き方改革の法案がずさんな統計や調査で問題になっている最中ですが、時代はそちらの方向へ向かっています。少なくとも終身雇用を守る方向ではありません。

 誰もが自分の名刺を創り何が出来るのか、したいのかを表明せねばならない時代が来ます。もちろんネットやSNSでと考える人の方が多いでしょう。でも、人と会う機会がなくなる訳ではないのです。だからこそ、その瞬間が大切になります。個々の立場で何ができるか、したいのかを考えておきましょう。

 何が出来るか、したいのかを名刺で、言葉化して表明する。これをすぐ出来る人は既に起業したり、その準備をしている人だと思います。そうでなくとも、あせらないで下さい。大丈夫です。この事を考えていくことは、今の自分の仕事に絶対プラスになります。自分を整理しなおし、目標を設定することになるからです。今の仕事でがんばる意味ができます。目標から逆算した今がどこなのかが見えてきます。自分の名刺をどうすれば伝えられるかを考えてつくることでモチベーションアップにつながります。夢が広がりワクワクしてくることでしょう。

 名刺を創っていくと自分に適さない「ことば」やデザイン、フォント、色、なども解るようになってきます。この名刺は会社から与えられる物でなく、自腹でお金を払い、自分の出来ること、やりたいことを言葉で表明する訳ですから、いい加減に創る事はできません。多少時間がかかっても、自分の納得いくものでなくてはなりません。名刺はそれを創り制作するなかで色々考えねば出来ません。だから、自分の気持ちが、心が見えてきます。でも名刺の本来の役割は配ることです。配りたくなる名刺を創りましょう。

 

名刺の意外な効果①

今日は自分の名刺を創りながら感じた意外な効用について書きます。自分で小商いの為の有限会社をつくってから25年がたちます。当時はまだ有限会社が設立できた時代でした。まず営業するのは飛び込みからの開拓でしたので名刺を創らなければなりません。今は名刺屋なのですが当時はオフィス用品からでしたので名刺は外注で、昔は100枚片面で墨1色刷り版代込6000円位でした。今もこの位だと助かるのですが、消費税も3%の時代です。

それはさておき、自分は地元でお客様を獲得していきたかったので地元の写真が刷り込んである名刺の台紙で作成したのが初めでした。台紙は市役所で販売していたものを使いました。写真はカラーでしたので、当時配ると意外と目立ってくれました。そこで地元で生まれ、育ち、起業したたことを伝えるには役立ったと思います。もちろんその頃に取引頂いたお客様とは今も継続でお取引頂いております。感謝、感謝です。そこで解ったのは、話題が眼から入ると聞いてくださるということです。話だけでは印象に残りません。かと言って奇抜すぎたりは内向的性格の自分は配れません。自分の写真の刷られたのも、ずうずうしく感じられて配れません。地元の名所的なものを刷り込んだ名刺ぐらいが、ちょうどいい感じでした。ただ、交流会などで同じパターンの名刺を配る人が多くなったのでやめました。

時代はバブル崩壊後でしたので大変でしたが何とか日常の消耗品を扱っていたので生き伸びております。新規開拓をしないと明日がありませんので、その為に色んなパターンをつくりました。そうしていると名刺の作成が面白くなり、デザインも含め名刺そのものをメインで扱うようになりました。でもこれにはパソコン、プリンター、印刷ソフトなどが急速に身近になったことが大きかったと思います。そして自分の新しい名刺を創りながら気づいたことは、相手に自分の想いを、言葉化して表明しなければ紙のムダ使いになることです。

また何を名刺で伝えるかを考えていくことが積極的な気持ちをもたらしてくれるということです。モチベーションアップにいい効果があります。自分のような内向的な性格のものは、何かを伝える為に内省することになるので、気づきもあり、おおげさかも知れませんがセラピー効果もある気がしています。とにかく自分の名刺で、何を伝えるかをもう一度考えてみてください。

内向的な人の名刺とは?

 先日、内向的な人の起業の話を書きました。自分が内向的なタイプなので自分の名刺を作る時に色々悩んでしまいます。基本は自分から配りたくなるような名刺を作ろうと努力してきました。それが中々むずかしいのが内向的な人間なのだと思います。同じような人の参考になればうれしいです。

 まず、基本的に目立ちたくない。でも何ができるかを伝えなければ起業も小商いも夢想で終わります。それは絶対にいやだ。とにかく何をしているのかを解りやすく伝えることにしました。自分は名刺、印刷、販促が主体の仕事です。その中でも名刺をメインとしていますので表面に「The名刺屋」と名乗りました。これで職種は伝わります。あとは社名、名前、連絡先など一般的なものです。裏面には、どんな名刺を作りたいのかを書いてあります。言葉が中心にしてあります。

 よく名刺の作り方などを書いた色々の資料や本を見ますと写真、にがお絵など入れた方が印象に残るから起業の際は入れましょう。と推奨しているものが多いのですが、自分の性格からするとダメなんです。とても写真、それも自分の顔を名刺に印刷して配るなど嫌なんです。政治家には向きませんね。でも、小商いですが25続いております。ありがたいことです。

 何を言いたいかといいますと、自分が嫌な名刺は誰が効果的といっても、配れないものだということなのです。組織に所属、会社に就職しますと会社の仕様で支給されますから仕方ないのでしょうが、内向的な上に、更に消極的になるのは良い結果につながりません。内向的な人を活かす為にも経営者の方には一考してほしいものです。積極的な人ばかりで世の中は成り立ちません。

 内向的と消極的と違います。内向的な傾向は考えてからでないと一歩踏み出すのにためらうだけです。考えが決まれば積極的な人より段取りが良く成果が上がる事も多いはずです。壁を前にすぐに上る人と、コースを確認してから全力で登る人が勝つCMがありますよね。

 内向的な人の名刺はその人が納得して制作すれば、大きな成果が得られるはずです。内向的な名刺屋としては時間がかかっても、そういう名刺を創っていきたいと願っています。名刺を画一的にとらえるのではなく、あなたの相棒として配りたくなるものを創ってください。

 

名刺は解りやすく作ろう

 誰が名刺を作るのだろうか? 誰もが、社会人になるとだいたい持っている。就職すると会社から支給されるというのが一般的だ。日本では、就職関連のセミナーで名刺交換の作法を教えたりするのを良くみかける。ネットで名刺を検索すれば選り取り見どりである。自分も名刺に携わっているが、どこで作っても良いと思う。

 ネットで名刺をさがす人は個人が多いのだろうか? 会社が多いのだろうか?価格なのか、デザインなのか、注文のしやすさなのか、スピードなのか、ホームページの見やすさなのか、別のこだわりなのか、色々考えても良くわからない。個々の思惑であり、自分のセンスが光る名刺を作りたいし、色んな配る状況もあるのが名刺であるから。

 名刺屋としてのアドバイスは「誰に配る事が多いのかを考えて作った方がいいですよ」 ということです。例えば、最近多いのはデザインにこだわり過ぎて文字が小さい名刺。我々高齢者は余程のことが無い限り二度と見ないでしょう。名刺は交換し合うと精読率の高いビジネスの武器なのに勿体ないことです。若い人との取引が多いならいいのですが、中高年の人も対象なら考えるべきです。まして中高年が決定権のある場合が多いのは事実ですから。

 この間、昔務めていた会社の人と久々に名刺交換をしました。20年ぶり位でしょうか。オフィスの内装・家具・事務用品などを扱う会社ですが自分が在籍していた頃はオフィス事業部でした。今はオフィスソリューション、○○ディレクターと名刺に書いてあったので、何をやっているのか聞きましたが昔とやることは、あまり変わっていないようでした。経営者が若くなり、事業部のトップもその関連の人に変わったとのことでした。取引先のお客様は変化の問題解決が出来たのでしょうか。

 部署名、役職はわかりやすいものの方が信用されると思います。名刺は何より名刺交換してこそ意味のある商品です。その時、なるだけ色々説明するより簡単に、何ができる人か、会社かを理解してもらう方が効果は出ると思います。名刺はあなたの相棒です。

 

「認める」を考える②

 名刺は、どうやって相手に信用され、認めてもらう小道具となってきたのだろうか? 前記したように大会社、有名会社、銀行、公務員などは名刺交換をすれば、社名で認めてもらえ信用され、取引の話に入る事が出来る。昔よくあったのが会社のロゴ、マークを型押しプレスして凹凸をつけた名刺や、墨1色が一般的な時代にカラーの名刺を使い他社と差別化していたのを思い出す。

 小さな会社は名刺まで中々お金はかけられないので、そんなに特別凝ったものはなかった。パソコンで版下を作成できるようになるまでは活字で作る活版印刷タイプだったし、少々お金がかけられて量がでるところはオフセット印刷でやるが、版下は写植してフィルムを作ってやっていた。今、思うと面倒だがなつかしくもある。

 25年前くらいからだろうかパソコン(ウィンドウズ)が一般に普及してから名刺も様変わりした。名刺の原稿版下を画面上で作成できるようになり文字のフォントもサイズもバランスも画面上で作成することができるし、お客様とのやり取りも画面上でやれるし、注文も来る。工場へも校了データーを送れば済む。印刷技術の進歩もあった。活版印刷からオフセット印刷、オンデマンド印刷とあれよあれよという間に広がった。町に昔にあった印刷屋さんは姿を消していった。

 そして今、誰もが簡単に自分のイメージにあった名刺をネットで安く、早く届けてもらえる。でも考えてみるとその素敵なクールな名刺をどう使うのだろうか?問題は内容である。その名刺を交換して相手の信用を勝ち取り、認めてもらえるだろうか。名刺だけで信用してもらおうとは思わないという声が聞こえてくるが、初対面の人に渡すというビジネス上、大切なチャンスをつかむ瞬間であることに間違いないことである。昔、先輩諸氏が苦労して工夫をしてきたこと思えば、作成そのものが安く早く簡単になった分、内容については工夫したいものである。名刺1枚にもこだわって、相手に対しているという熱意を伝えよう。我々のような小商いをするものは、そうやって認めてもらえばいい。何が出来て、何がしたいかを伝えよう。