名刺の効用

新聞のコラムに漢の劉邦の名刺の話がでていました。劉邦はもともと田舎の下級役人でしたが、その地方に有力な豪族が泊った際に土地の有力者たちは手土産として金を持参したそうだが、劉邦は無一文であったので会ってもらえるはずがありませんでした。その時、劉邦は謁(名刺の原型)に無一文のくせに「銭万をもて賀す」とウソを堂々と書いて差し出したのだそうです。そして会ってもらい有力な豪族は見どころのあるものとして自分の娘を嫁がせたと言うのです。

名刺には姓名だけでなく、時には相手に対する挨拶や要件なども書き添えられていたのだそうです。その名刺を発明した中国も30年位前はビジネスマンでも名刺が普及していなかったと書いてありました。そして中国も世界の国々と関係を広めていく中で名刺が改めて普及しています。

日本は良い発明を工夫するところ、自分のもにし発展する技術に優れています。今の名刺はどうでしょうか?デザインや安さに目を奪われて名刺本来のもつ効果をないがしろにしているようです。名刺は名刺交換をしてこそ効果を発揮できるビジネスツールです。そしてそこには何が必要なのでしょうか?

まさに劉邦ではありませんが自分の存在を、出来ることを、やりたいことを伝えるということなのです。しかもこのネットの時代に人と人とが初対面で相手の持ち物と自分の持ち物を挨拶しながら交換しあうという風習なのです。これは思いのほかスゴイことなのです。そうは思いませんか。

令和という時代は個人が個人として主張していかねばやっていけない時代になると考えています。それは昭和、平成が組織のなかの個人であったのとは真逆で個人の為の組織、団体以外は認められない世間の空気になるような気がしてなりません。それは自分の想像の世界だけでないと感じています。そうなった時、名刺の効用は重大なポイントになると思います。さあ、一緒に名刺を、あなたが令和を「闘う名刺!」を考えていきましょう。