サラリーマン川柳の入選作100句の発表がでていました。応募は4万3691句というからサラリーマンも中々粋なものです。自分も好きなので毎回楽しみにしていますがまさに世相を映すものです。女性や妻の強さが目立つのは今も昔も同じことでから人間の本質なのでしょう。
今回はそれに加えて働き方改革やAI、世代間の差などの句が多く見られたようです。「ゴール前 延びる定年 老い越せない」などなるほどと思う秀作がいくつもあり、考えさせられます。
日本人は昔から川柳やしゃれなどで浮世を風刺するのが好きなようです。「ジョウキセン たった四杯で 夜も眠れず」とか明治維新前にペリーが黒船で来た時も落歌があり伝わっているのですから大したものです。ちなみに蒸気船(黒船)と上喜撰(宇治の高級茶)とがかかっています。
庶民が作っているとしたらホントにことば遊びのレベルが高い国民だと思います。俳句、和歌、落語、ドドイツなど言葉を主にした文化を大衆が面白がるというのだから素敵なことだと思います。世界に誇れる遊びではないでしょうか。自分も遅ればせながら言葉遊びを趣味にしたいと考えています。
サラリーマン川柳のなかで「趣味探し 定年前の 大仕事」というのがありましたが、まさに数十年頑張り続けてきたお父さんたちの本音ですね。価値観が仕事を一番に感じた世代も組織から離れて自分を取り戻さなければなりません。定年の年頃を迎えたとしてもこれからまだ20年以上しないと平均年齢に追いつきません。
人生100年の時代と言いますが大変な時代になったものです。残念ながら悠優自適な老後というわけにはいきませんので、せめて「ことば遊び」を趣味に浮世をほっこりと過ごして行きたいものです。