昔、今、これからの営業考

 営業畑で40年仕事をしてきたが最近の営業のありかたの違いに驚くばかりです。良い悪いは別にして営業の守備範囲が極端に狭くなっているように感じます。お客様に対してより会社のマニュアルに忠実に正確に行動することが求められるようだ。だからそれ以外のことは自分の判断では動けないということが当たり前のことになりつつある訳です。

 自分たちの若いころと比べる気はありません。でもやはり営業がつまらなくならないのだろうかと考えてしまいます。決められたマニュアルにしたがって動くことで給料をいただけるのは有難いことかもしれません。それに従っていればアクシデントが起きた時も自分の責任ではなくマニュアルを作った会社の責任なのですから。

 精神衛生上はこの方が楽かもしれません。昔は営業の判断で成功・失敗があり、褒められることもあれば、大目玉をくらうことも多々ありました。それはそれなりに楽しかった気がしています。酒のつまみにはなりました。今は失敗が許されない時代なのかもしれません。それこそ精神衛生上つらいことです。

 時代によって営業も変わらなければならないのは良く解ります。ただ面白くないのも事実です。同じ事をいう人ばかりになってしまいます。注文はメールでして、メールで説明を受け、宅配便が納品します。営業の出る幕などありません。とりあえずこのエリアの担当は○○というものです。システムに不都合がでたら連絡ください。と言う感じが今の時代の多くの営業のようです。

 営業個人のパーソナリティなど入り込む余地はありません。あの人から買いたいということは無くなったようです。だから値段、スピード、広告媒体のアピールの善し悪しなどが決め手になってきます。これはAI時代の始まりになるのも仕方がないことのようです。AIが仕組んだのでしょうか?

 それとは別の世界に住みたいと願う人の為の営業になりたいと考えています。今の時代についていけないのもありますが、この時代のありかたが楽しくないのも大きな理由です。やはり営業としては「あの人から買いたい」といってもらうのが勲章のような気がしています。