「認める」を考える④

 名刺屋を長くやっていると、名刺が名刺交換をしてこそ価値が出るという本質に気づかされます。人と人が会って交換しあう。そして認め合うのが基本でした。だから「認める」ということが気になります。

 何日か前の日経新聞の記事にワインの本物と偽物を判断し認めるしくみのことがでていました。その真偽をになってきたのは有名販売店やソムリエといった知識と経験で信用を得た一握りのプロだけだったが、今はそれがブロックチェーンで証明されるというのです。このシステムは仮想通貨などでよく聞くあれです。要は値打ちを認める力を一部のプロから無数の個に分散して信用を担保するという事だそうです。権威、お墨付きが変わろうとしています。

 今までの権威は国や役所が上から与えるものでした。それが多くの個人が認めるシステムに代わって行くものが増えるのでしょうか。中央集権的なものから情報の鎖でつながるシステムのお墨付きのほうを時代が選ぶということなのでしょうか。システム的に色々難しいところは、自分にはわかりませんが、今までの中央集権的な「認める」システムが信用されなくなったことだけは確かです。

 根本には「認める」を発行した側が問題を起こしても、変える努力をしない。単に権力にものをいわすこと。それを追求できない他の組織の問題などでしょう。この「認める」ということについては本当によく考えなければ、将来大きな問題がでてくるはずです。国も個人も早急に考える必要があります。でないと気づかないうちに誰かの都合のいいシステムにされてしまう恐れがあります。そして気づいた時では、後の祭りです。

 何かが変わっている予感があります。名刺屋としては基本にもどって何が名刺に必要になり、名刺交換という習慣が有効なこととして生き残れるかを考えてみようと思いました。