先日、スクラップブックの2000年の頃の新聞の記事を見直していました。もちろん名刺に関するスクラップなのですが、環境の事、エコロジーなどの記事がやたらと多かった時代でした。特にケナフの名刺などの記事がたくさん出ていました。
ケナフは東南アジア、中国、アフリカなどに分布する一年生の植物で、二酸化炭素の吸収率が多く温暖化防止にも良く、5~6か月で育つので森林伐採をせずに済むのだと。だから自治体がその名刺を推奨している。これが2000年初めの記事、年の後半になると、量産すると排水、運搬など、国内で栽培すると外来種であり生態系が崩れる恐れがある。それほどエコとは言えず、しかも割高になる。そんな記事がありました。製紙業界が反撃したとも言えますが、ブームは過熱しすぎたのでしょう。あの頃、古紙100%の名刺は自分も使っていましたが、業界のねつ造と判明し表記がなくなったこともありました。どちらの応援する団体も嘘はいけません。
今も色々な素材(バナナ、石、再生PETなど)でつくる方はいますが、エコというよりは他の人と違うものをとか、話題性からとかの理由で作る方はいます。それのほうが健全ですね。誰かが大きな声で旗を振る時は気をつけないと、別の意図が感じられることが多いものです。名刺にたずさわる者としては、話題になるのは良いのですが本来の名刺の意味、伝えることは言葉でと思うのですが古いのでしょうか。
名刺の紙といえば、我々が働き出した昭和の時代は厚手の紙にタテ書きで、社名、名前、住所、電話位のものでしたが、今はほとんど薄手の紙にヨコ書きが多くなりました。内容も前記のほかに会社ロゴ、FAX、E-MAIL、ホームページ、ラインID、ISOマーク、プライバシーマーク、英文表記、顔写真、似顔絵、キャッチフレーズなどがあります。当然、スペースの問題があるので文字は小さくなり若い人しか見えないような名刺を配られています。
時代ですから仕方がないのかもしれませんが伝えたいことは絞ったほうがいいと思います。何が出来るかさへ伝われば後はホームページとか会社パンフとかブログ、SNSとかで良いのではないかと感じます。周りがやっているからでなく、自分はこうするという名刺を創りたいものですね。